皆様、どうも今日は! 阿見町の観光ガイド、筧田 聡です。私がまず目指しているのは、茨城県南地域の活性化です。活性化させる目的のために、経営支援や観光ガイドを行っているのです。
今日、私の地元・茨城県阿見町内にある福田地区で行われている奇祭に参加してきました! 近隣地域出身の母からあやしい祭りと伺っていましたが……こんなに強烈な特色を放っているとは……知れば知るほど半端ないです。
福田の奇祭『馬鹿祭り』とは
性器を崇拝し祀ることで、五穀豊穣(豊作)と子孫繁栄(子授け・多産)を祈願する祭り。茨城県阿見町の福田地区で、11月の最終の土日に行われます(4年前まで旧暦の11月15日から16日に行われていました)。江戸時代(約250年前)から続いている伝統ある祭りです。阿見町名所百選(No.52)に選ばれています。歴史的に貴重な祭りと言えますよね。『馬鹿祭り』と言う名前は、祭りの奇抜さから付けられたそうです。正式な名前は『鹿島神社大祭』と言います。
福田馬鹿祭り(鹿島神社大祭)の起点
むかーし昔、この地域で疫病が蔓延して、村人や子供が激減したそうです。どうすれば村を盛り上げることができるか、どうすれば子供に恵まれるか。村の長たちが、毎日、協議しても、なかなか良い答えは出なかったそうです。ある日、神頼みの性祭が浮上した……と言われています。ちなみに、福田地区の5つの坪(集落)が順番に祭礼の当番を受け持ちます。この当番が回ってくるのは60年に1回程度だそうです。当番に送りつがれる「祭礼諸入用覚帳」には、明和元年(1764年)から記録が残されており、2016年でなんと253年目。
福田馬鹿祭りの流れ
お祭りは、2日間に渡って開催されます。
掃除と宴会(初日)
まず参加者は、茨城県阿見町福田地区内にある鹿島神社に集合します。神社の掃除や御幣を新しいものに交換して、一通り行った後に、宴会を行います。
ドウオクリ(2日目前編)
次に『ドウオクリ(当家渡し)』を行います。婚礼行列を組んで、ふざけながら福田の集落を練り歩きます。
このとき、ふざけると同時に、祝い酒(日本酒)やみかんを参加者や地区の住民に振る舞っていました。もちろん私も、参加者としてみかん2個と日本酒を一杯頂きました♪ どうもありがとうございます! 行列が通るときにわざわざ顔を出すお宅もありますが、音沙汰のない家も多いそうです。
その後、万燈倒しを行い、来年の当家(馬鹿祭りを行う当番)に対して『当家渡し』という引き継ぎの儀式を行います。儀式の最後に雌雄の鯉を腹合わせにして祭りは終わります。が……
その後も結婚式の宴会と銘打って宴会は続きます。ここでは、紐で結ばれたシオフキさんとオカメさんが、大根でつくった男根と女陰を持ち、太鼓に合わせて子授けを意味する滑稽奇抜な踊りを披露します。ちなみにどちらの性器も陰毛までリアルに再現されています(動画参照)。ちなみにここで使われた大根を食べると子宝に恵まれるそうです。(子宝を望む方には大根が配られるそうです)最後は手締めを打ってお開きとなります。
福田馬鹿祭りの役
シオフキさん
ひょっとこのお面を被っている。桐でできた大男根を下腹部に構えて、太鼓の音に合わせて卑猥に腰をフリフリしながら踊ります。オカメさんと紐で結ばれている。結婚式の宴会では、大根で作った男根を持ちます。
オカメさん
おかめのお面と角隠しを被っている。シオフキさんと紐で結ばれます。角は怒りの象徴で、それを隠すことで、おしとやかな妻になるようにとか、嫉妬の鬼と化すの防ぐためとか、妻になる人が怒りませんようにという意味があるそうです。結婚式の宴会では、鯉を担ぎ、大根で作った女陰を持ちます。
ちなみにシオフキさんとオカメさんは夫婦です。
媒酌人
左で御幣を持っています。
福田太鼓の福田囃子(馬鹿囃子)
婚礼行列には、伝統芸能の福田太鼓がトラックに乗って付いていきます。そこで打ち鳴らされる「福田囃子(馬鹿囃子)」が祭りを引き立てています。
福田の馬鹿祭りに関する注意点
飽く迄、地元民の祭りです。同じ町内でも他地区からの参加だとハードルは高いと思います。(筧田は観光ガイドの体で参加しました。)もちろん、参加を拒まれることはないと思いますが(笑)
※2016年は、あみ観光協会が町外の方々に向けに「福田の馬鹿まつり 花嫁道中見学者募集」と銘打って、10名限定で参加者を集めてきたそうです。
また、他にも指摘している方がいますが、インターネット上に福田地区の「鹿島神社」を吉原地区の鹿島神社と間違えて伝えている記事・ページがあります。吉原地区の鹿島神社は関係ないので注意してください。
福田の馬鹿祭り:場所案内
福田農村集落センター
鹿島神社
鹿島神社の裏手には、横向きの牛久大仏が直ぐ近くに見えます。
最後に
1年に1回の奇祭とは言え、長年、地元に受け継がれている文化・祭りということは、そこで暮らす人々の拠り所(アイデンティティ)になっているんじゃないかと思います。あなたの地元やあなたの住む街にも、残したいお祭りや風習はありますか?
そうは言いつつも、課題もあるようで、若い参加者が少ないのが現状だそうです……。
“ いいものだらけ ”の世の中へ
株式会社Key-Performance
代表取締役
筧田 聡 Satoshi Kakehida
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